【総合特区を活用した岡山市の在宅介護の取り組み】

文教福祉委員会の視察のもう1つの場所、岡山市の報告が遅れておりました。


岡山市では平成25年2月に地域活性化総合特区として国の指定を受け「画像高齢者が、介護が必要になっても住み馴れた地域で安心して暮らすことができる社会の構築」をテーマとした取組を進めて3年目になるとのことで、その内容や考え方を聴きました。


岡山市では現在は人口が増えているようですが、それでも72万人のうち65歳以上は24、8%にのぼり、介護認定率は 人口 721,079人 65歳以上は24、8% 介護認定率は21、2%だとのこと。また高齢者世帯の26、2%が単身、24%が高齢者夫婦で老老介護、認認介護が増えていくことが見込まれる一方、高齢者アンケートでは終末期は自宅で過ごしたいというニーズが48、3%と高いそうです。


岡山市の介護保険料は6160円で介護給画像付費は583億円、そのうちデイサービスの給付費が約2割を占めているそうです。その背景には、医療・介護資源は政令市でトップクラス (一般病床数4位、医師数3位、通所介護事業所数1位、介護保険施設数4位)という要因があります。


総合特区は全国で48ヶ所指定され、それぞれの地域課題に活用されている中で、岡山は医療・介護の資源を活かし在宅介護で活用することとしたそうです。


ただし、この特区の指定にあたっては新たな規制緩和に取り組むことが条件となっているため、岡山市として11項目提案し、これまでに5項目が実現したそうです。


具体的には①デイサービスの質の評価事業②最先端介護機器貸与モデル事業③介護予防ポイント事業(29年度で終了)④医療法人による配食サービスの実施事業⑤訪問看護・介護事業者に対する駐車許可簡素化事業です。


とくに詳しく報告されたのは①と②で、興味深いものでした。


デイサービスの質の評価事業は、利用者の機能改善を評価画像に入れることで本人の日常生活での動きが改善され、介護家族の負担軽減や事業所の改善意欲にも繋がるようにするため、評価の視点、項目については市内300の全事業者の意見を聴きながら決めていったそうです。


この評価基準をクリアした事業所は公表され、実際に利用者の機能改善が見られた事業所の上位には奨励金10万円が贈られるそうです。こうした評価が事業者とそこに携わるスタッフのモチベーションにつながっているとのことでした。


実際に評価事業に参加したのは全体の半数程度とのことですが、事務量や体制上の問題で参加できなかった事業所についても研修会の案内などのフォローはなされているようです。


最先端介護機器貸与モデル事業は、現行の介護保険の福祉用具貸与対象が車椅子、杖、ベッドなど13種目に限られており、介護ロボットや見守りシステムなどの先端機器は自前ということでなかなか普及も進まないことから、介護保険の給付対象でない、ロボット技術等を活用した最先端介護機器を市独自で要介護者等に1割負担で貸与するというものです。


将来的に介護保険での給付対象を目指しているのでなんでも良いわけでなく、福祉用具の範囲に入る機器を選定し15種目を選定し、現在、貸与終了した4種目をのぞきコミュニケーション支援ロボットや見守りサポートシステム、握力サポート機器など11種目が対象となっているそうです。


平成29年時点でのべ利用560名(実利用者画像200人)で、毎年利用効果を測定し、効果が上がっているものについて保険給付の対象にするかどうか国の評価委員会で協議されているそうですが、全会一致が原則のため、まだ1種目も拡大されていないそうです。


この話を聞きながらつくづく感じたのは、最新の機器を活用して本人や介護者の負担を軽くできるようにするためには、保険給付の対象とする必要があり、いわば岡山市が自治体ぐるみで製品モニターに取り組んでくれているようなものだということです。現状はこうした機器を使いたければ事業所や利用者本人の自己負担でなくてはならない、ということですから、障がい者用の福祉機器のように自治体独自の努力とともに全国的にもこうした先端機器が介護保険の給付対象になるように声をあげて行く必要があるのではないかと痛感しました。


岡山市の総合特区を活用した在宅介護の取組みは平成29年度が一区切りだったそうですが、平成30年度以降も継続して取り組むこととしているそうです。


それにあたっては、①高齢者の活躍推進事業、②通所介護の送迎の柔軟化(過疎地の方などが通所介護の送迎を買い物や通院にも使えるようにする)③認知症情報共有事業(認知症の早期発見、早期受診に結び付けられるよう、車の免許更新時に「認知症の恐れあり」という結果が出たら、市の認知症予防対策につなげられるよう情報共有できないか警察と協議する)などの新たな施策を提案しているとのことです。


介護をめぐるさまざまな課題解決に向け、総合特区事業で施行された取組を通じての教訓や成果がどうなのかということを、今後もしっかり注目していきたいと思います。


#佐賀市議会
#文教福祉委員会
#岡山市
#在宅介護総合特区AAAシティおかやま

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック