3月議会に続いて「原発再稼働容認」の市長答弁

 今年の3月議会の一般質問で、震災と原発事故から1年目にあたって、原発についての秀島市長の見解を質しました。そのときの市長の答弁は以下のようなものでした。

 「原発の安全神話は崩れた。原発に依存しなくてすむならばそれが一番いい。しかし、原発を停止させても冷却し続けなければならないために、ただちに原発廃止という状態にはならない」と言いながらも、電気が不足することを懸念し、「したがって、まずは原発はこれ以上増やさない。再生可能なエネルギー源の開発に最大限努め、十分カバーできるようになるまでは、安全性に十分注意しながら、原発を運転することもやむをえない選択ではないか」結論として、「原発から出る核のゴミの処理能力が担保される前提として、安全性が十分確認できる原発については再稼働を認めざるを得ない」というもの。

 一言でいえば、「原発に頼らない方がいいが、電機が足りないと困るから、核のゴミの処理がきちんとできるなら、安全な原発を動かしてもよい」ということです。

 しかし、あれから半年経って、秀島市長の3月答弁の論拠は崩れたのではないでしょうか。

 第一に、電気は足りていたということです。佐賀では昨年より10日も猛暑日が多かった暑い夏にもかかわらず、九電管内はもちろん、全国的にも計画停電は実施されずにすんだという事実が示しています。
 第二に、「核のゴミの処分の安全性」については、国の原子力委員会が原発の使用済み核燃料を処理した高レベル放射性廃棄物の最終処分場の考え方について審議を依頼した日本学術会議の委員会が、「核のゴミの増加に歯止めをかけるために原発の廃止か削減が必要であること、東日本大震災の巨大地震後は、地下300mより深くに数万年埋設する「地層処分」は、現在の科学では困難として、従来の政策の転換を求める報告を出したと報じられています。つまり、核のゴミの処分の安全性は担保できないということです。

 今度の9月議会では、こうした状況を真摯に踏まえて、再稼働を容認した3月議会での見解を転換すべきではないか、という質問をしたのです。

 これに対し、秀島市長は「結論から言って、3月議会からはさほど変わっていない」というもの。

 その根拠として、(1)電気は足りていたというが国民や企業の節電努力によるものであり、今後も大丈夫とは言えない、(2)核のゴミの処分の問題では、ご指摘のようなこともあるかもしれないが、一方で青森県六ヶ所村の再処理工場の稼働もめどがついたという記事もある(読売新聞9月5日社説)ので、判断できない、(3)停止中の原発でも冷やし続けなくてはならず、廃炉にするなら、膨大な費用と人材確保が求められることになる、誰がいつそれを決め、誰が負担するのか、ということも問題。(4)まずは、再生可能な代替エネルギーの開発・普及が進んでからのこのではないか、ということが挙げられました。

 私は、「止めていても冷却し続けなくてはならないのは大変」といいながら再稼働を容認するのは理解できない、再稼働すれば、処理できない核のゴミが増え続けること、原発の安全性については、ほかの飛行機やロケットのような試験はできないこと、実際に福島で起きている事故が検証されていないこと、いったん事故が起きたらとりかえしのつかない事態になること、また、「廃炉にするなら莫大な経費と人材の確保が必要になる」というが、いつかは廃炉にするとすれば、それは必ず必要となるものであり、ズルズルと先延ばしするべきではないこと、停止中の原発は雇用を生まないが、廃炉に向かえば仕事も雇用も生まれること、だからこそ、政治が「脱原発」を直ちに決断することで代替エネルギー源の開発などにも本気で取り組めるということ、などを述べました。

 そして、自治体首長は住民の生命と財産・安全を守ることが最大の仕事であり、4月に脱原発首長会議が発足し、佐賀県からも小城の江里口市長が参加していることも紹介し、その生命と安全に関わる問題である原発の再稼働容認はすべきでない、とあらためて転換を求めたのです。
 
 すると市長は「それもひとつの考えかもしれないが、私のほうが現実的だ」と答えました。残りあと7秒というところでした。それで終わるにはもったいないので、最後に「それは現実的ではない。ただちに原発からの撤退に向かうべき」と締めくくりましたが、まったく時間が不足していたので、納得できるやり取りにならなかったのが心残りです。

 直接的な原発立地自治体ではないにせよ、広く「立地県」とみれば、その県庁所在地の市長の見解が「再稼働容認」というのは、政府のパブリックコメントでも「即ゼロ」が8割以上を占めているという世論に追いついていないことを示したものといえます。毎週金曜日の県庁東アクションを市役所前アクションにしたくなるような答弁でした。

 

 

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