市立図書館のTSUTAYA図書館化、小牧市が住民投票で NO!

小牧市が新築する市立図書館の運営をTSUTAYAのカルチャー・コンビニエンス・クラブに委託する計画について賛否を問う住民投票が昨日行われ、反対が約3万2千、賛成が2万5千弱という結果が出ました。公立図書館を民間に丸投げすることに「NO!」を突きつけることになったのは、まさに市民の良識の表れだと思います。武雄市民図書館の轍を踏まぬよう、入り口で踏みとどまらせた市民のみなさんの力に、心から敬意を表します。


TSUTAYAが自ら私設の図書館をつくるというなら、別にとやかくいう筋合いはないかもしれません。

しかし、武雄の図書館に足を運ぶと、外観と雰囲気はいいかもしれませんが、入り口の一番手前にTSUTAYA書店があり、いつの間にか図書館のスペースになっていくというわかりにくさ、右側にスタバのカフェがあり、珈琲の薫りがフロアに漂うのは一見おしゃれな雰囲気ではありますが、珈琲の苦手な方にとってはかなしいスペースとなります。私は、珈琲は好きですが、あのフレーバー珈琲の強い薫りはちょっと敬遠気味なので、少なくとも別のスペースに分けてほしいものです。


そして、肝心の図書館のスペースですが、天井まで届く開架書棚に圧倒されるものの、よく見ると、上の方はほとんどハリボテであることに気づかされます。それでも手の届かない場所まで本が詰め込まれており、背の低い人やお年寄り、車椅子の方が書名を確かめることさえ困難です。

しかも、児童の読みきかせのコーナーも十分になく、あろうことか、別室に続くドアの上方にある書棚に児童書が並べられていたのには唖然としました。
私にとっては、これだけで「誰のための図書館なのか」と怒りがふつふつ沸いてきたものでした。

さらに、2階の回廊にも読書スペースと共に開架書棚があるのですが、ズラッと続く開架書棚の途中に「関係者以外立ち入り禁止」のベルトがかかっているという不思議。もはや、貸したいのか貸したくないのか、何がしたいのかわからない状態だと思いました。

そして、いざ借りようとしたらTカードです。借りたらTポイントがつくって、変でしょう。買い物カードはどこの何を使おうが自由で、それを目当てに買い物をすることもあるかもしれません。
私自身、TSUTAYAカードを持っていて、Tポイントがたまる店で買おうという気持ちになることもあります。

しかし、TSUTAYAの私設図書館ならまだしも、公立図書館で借りた本をTカードで集約するとは、市民の嗜好や思想を一民間企業が公立施設を利用して囲い込むことにほかなりません。公立図書館では、個人の貸出データを蓄積しないことになっていると聞きますが、それを民間企業がデータ蓄積して、自らの営業に利することにつなげるなど、もってのほかです。


ある意味、公立図書館というもっとも精神の自由と民主主義が重んじられるべき施設が、こうしたやり方に委ねられることはおかしいと思います。


武雄型のTSUTAYA図書館が、宮城の多賀城市でもつくられると聞きますが、こんなやり方に早くストップがかかりますように、と願っていた中での小牧市の住民投票でした。


小牧市における初めての住民投票が、図書館のあり方をめぐる問題だったというのもすてきです。図書館は誰のためのものなのか、つくるときも、運営するときも、住民が関われる形で、という民主主義がつらぬかれるきっかけになることだと期待しています。


そうそう、武雄市民図書館問題をめぐって女性週刊紙でも取り上げられていました。いま、図書館への注目も高まっているようで、来週、都城市の共産党市議団が武雄、伊万里、佐賀の市立図書館の視察にみえるそうです。
佐賀では武雄と対照的な伊万里が注目されていますが、佐賀市立図書館の場合は、合併前に指定管理者方式となっていた旧町の図書館や、司書経験者によるNPO団体に指定管理者方式で委託していた地域公民館にある分館を、佐賀市立図書館ネットワークにきちんと組み入れるためにすべて直営にもどした経験も注目されているようです。


というわけで、図書館語りから始まりました、10月の第二週です。

みなさまにも、充実の一週間となりますように。

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