【9月定例市議会レポート】

【9月議会終わる】

 9月市議会は10月6日に令和元年度決算案、本年度一般会計補正予算案、教育委員会委員など46件の議案を可決・認定して閉会しました。
このうち前年度の一般会計、国保特別会計、後期高齢者医療特別会計決算の3件について、共産・中山議員と私・市民共同の山下明子が反対討論を行いました。

 また、教育長として3期11年務めた東島正明氏の任期満了に伴い、中村祐次郎氏の選任に同意しました。任期は11月5日から。

【決算の反対理由】

①公立保育所の保育士不足への対応が不十分②中学校の選択制弁当方式は教育の一環としての給食とは言えない③人権啓発政策は市全体で進めるべきなのに特定の同和2団体に640万円もの補助を続けている④地域福祉基金18億6800万円は、その利息670万円分しか運用していないが、市民生活を守るために元金も適切に活用すべき⑤国保税の差押さえが前年の1768件から2322件へと31%増えており、負担軽減策が不十分⑥後期高齢者医療の保険料も差押さえが前年の71件から229件へと3、2倍に急増。75歳で区切ってその世代だけに負担を負わせる制度自体が問題。


【新型コロナ関連での暮らし・文化の支援、平和の願い掲げ一般質問】
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 9月定例市議会では27名が一般質問に立ち、私・市民共同の山下明子は16日に登壇しました。今回は①新型コロナ対策、②佐賀空港へのオスプレイ配備問題、③佐賀市の平和行政について質問しました。本庄認定こども園(仮称)に関しては、移転新築にあたっての地元説明のあり方や浸水対策との関連で移転後の跡地活用について問う予定でしたが、直前の質問者と内容が重なったため取り下げとしました。

1、新型コロナ対策とコロナ後の社会への対応を問う

⑴コロナ禍で誰ひとり取り残さないために

 新型コロナウイルスの感染拡大が県内ではいったん落ち着いているといえる状況影響ではありますが、私は「コロナ対策として建てられたいろいろな施策が、本当に必要な人たちに行き届いているのか、コロナ禍で『誰1人取り残さない』という心構えで臨むことが必要」との立場から、秀島市長に対し、現状の認識や課題、県や国に対して行った要望ついて質しました。

 市長は、これまでの経緯と市としての感染拡大防止や緊急経済対策など暮らしを守る対策について述べた上で「いろいろやってきたが、ワクチンができるまでは影響が続くと思う。感染の動きを注視して必要となる施策を取り組みたい。生活支援については、部分的な支援では間に合わず、生活保護の相談も受けている」と答弁。国、県への要望については、佐賀県市長会や県と20市町での意見交換における県への要望(密接な連絡体制、感染予防と経済の両立に向けた連携、他県からの来県についての感染予防と観光業への配慮、安定した長期的な支援など)を4月から8月にかけて重ねてきたこと、国へは全国市長会を通じて6月下旬に①マスク、消毒液など必要な物資の調達②必要な医療体制の確立と医療機関への財政措置、③農業分野も含めた幅広い経済支援、④厳しくなる地方財自治体の財源確保などを求めた、と述べました。

⑵経済対策は十分なのか?

 これまでの緊急経済対策のもとでも、例えばテイクアウトのできないスナックやバーなど飲食店では冷え切っており、一時的には助かっても、長引く冷え込みで先が見えないとの声があります。私は今後の考え方を質しました。

 梅崎経済部長は、本市の経済対策として「事業の存続を図る感染拡大期」「暮らしを経済を取り戻すwithコロナ期」「あらゆる活動を元気にする収束・復興期」の3段階で取り組むこととし、「現時点では感染拡大に備えながら域内循環の活性化を図り、新しい日常を見据えていく『withコロナ期』と捉え、飲食・小売業を中心とした地域経済の活性化や新業態への支援などを計画している。今後も復興期に向けて、地域経済の回復、立て直しを後押しする施策に取り組みたい」と述べました。

⑶住宅確保支援として民間住宅の借り上げを提起

 住まいの確保はくらしの基礎となる重要な分野ですが、私は生活困窮者の住宅確保支援としての住居確保給付金やホームレスの方への住宅確保への対応の実績を訊ねました。
 保健福祉部長は「住居確保給付金は4月から8月末までに38件、255万円の支給決定をしており、昨年(7件)の5、4倍になる。ホームレスの方への支援は4月以降で3件。生活自立支援センターや要配慮者居住支援組織を通じて支援した」と述べました。

 私は、コロナ後の社会における住まいの確保という点から改めて市の住宅政策として民間住宅の借り上げを提起しました。市の住宅マスタープランの中にも「要支援世帯数の変化への対応を踏まえて、不足する場合は市中心部への市営住宅整備の方策の一つとして、民間借り上げも検討」とあります。
 実際、市営住宅は市中心部にはなく、車椅子や日常的に通院の必要のある方などが入れるところがない、保証人の関係で難しい、など今の市営住宅の限られたキャパの中で対応しきれない方への支援策が必要です。今の空き家対策は危険家屋の管理が中心で、そこに住むという話にはなっていないことに目を向けて、民間の空き家を活用して、市営住宅として位置付けるなど住宅マスタープランの具体的な実践に踏み出すべきではないか、と求めました。

 干潟建設部長は「住宅困窮者への対応として、市営住宅入居者の場合は収入減少の時は収入の再認定により家賃を減額→住居確保給付金の活用→その期限が切れた場合は減免申請をしていただく。市営住宅以外の方は住居確保給付金を活用していただく。既存の民間住宅の借り上げは住宅マスタープランに掲げているが、当面は現状を維持し、今後市営住宅が不足した場合に借り上げも施策の一つと考えている」と述べるにとどまりました。
 たとえ数の上では足りていても、立地条件や車椅子対応などのニーズには応えられておらず、民間住宅の活用に踏み出してほしい、と改めて求めました。
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⑷減免・猶予どころか差押え?国保税・医療費一部負担金の軽減を

 私はこの間の国保税の納付猶予や減免の申請、適用及び医療費一部負担金の減免の実績について訊ねました。
 それによると納税猶予は前年より概ね2割減収となった場合で、9月15日現在で7件の申請に対し7件許可。税の減免は主たる生計維持者が3割以上減収となった場合で、120件の申請で109件減免。医療費窓口の一部負担金の減免は今年度はゼロとのこと。

 私は「コロナ対応の減免制度の活用をもっと呼びかけるべき」と求めたのに対し、保健福祉部長は「チラシや各種メディアでの広報をしている。納税相談の時も該当しそうな方には直接案内しており、今後も引き続き広報に努める」と答弁。

 ところが、実際にはコロナの影響で派遣・アルバイトの雇い止めにあって失業中の息子さんと手取り12万円前後のパートで働くお母さんの母子世帯で、納税相談をしたにも関わらず、擬制世帯主の母の給与の通帳から息子さんの未納分の国保税のうち1万5千円の差し押さえがなされている現実があります。私は「年金や総合支援金、児童扶養手当や年金などを差し押さえてはいけない」と質しました。
 保健福祉部長は「差押えの基本的な考え方として、納税相談にはきちんと話を聞き即時に換価しないが、納税の約束を守れない人や悪質な場合は、苦労して納めている人のことも考え差押えている。給付金や総合支援金などは対象外であり、差押え後にそういうことが判明したら影響を勘案して対応している」と答弁。

 私は、福山市での子どもの均等割軽減の拡充と国保税引き下げを決めた例を挙げながら、佐賀市でも負担軽減策を講じるべき、と求めました。
 これに対し「国保の減免はその目的をはっきりさせる必要がある、その上で必要なら財源確保を県一体で取り組むべき。子どもの均等割の減免などは6月末に全国市長会でも国に要望している」と述べました。
 また「国保法44条に基づく医療費一部負担金の減免について、医療機関窓口でわかりやすくすべき」と改めて求めたことについては「医療機関などへも効果的な周知広報に努めたい」と答えました。

⑸障がい者福祉・介護施設や当事者・家族への支援を

 私は、新型コロナの影響で減収となっている介護施設への支援について質しました。
 これに対し「減収となった介護施設は、国県市が実施している持続化給付金などを活用されたい。また、県がマスクや消毒薬など必要な係りまし経費の支援もしている」と述べ、独自の支援策については消極的でした。

 私はさらに、在宅で介護している場合の当事者や介護家族が感染した場合の当事者のフォロー策について質しました。
 保健福祉部長は「介護者家族が感染して残された場合でもサービスを継続する必要がある。すでにサービスを受けている場合は、高齢者なら居宅介護支援事業所、障がい者なら基幹相談支援センターや計画相談支援事業所により、食事、排泄、入浴などのサービスが受けられるようにする。既存のサービスを受けていない方の場合は、親族などの協力を求めつつ、配食や家事支援などのインフォーマルサービスを利用してもらうようにする」と答弁。

重度訪問介護を受けている人で4つの事業所から介助者を受けているうちのひとつの派遣先がコロナの影響によるスタッフ不足で派遣できなくなった場合、寝返りを打つこと一つとっても介助が必要な状態で死活問題ですが、行政としての対応を求めました。
 保健福祉部長は「複数の事業所のサービスを調整している計画相談支援事業所での調整が難しい場合は、市も連携して短期入所など他のサービスも含めて困らないように適切に支援したい」と答弁。しかし、実際には支援ヘルパーや支援事業所が不足しているのが実態です。国の施策として抜本的な人材確保策を強める必要があります。

⑹文化・芸術活動への支援は

 私は、6月議会で質問した時は検討中とのことだった市民芸術祭の開催の方針について質問しました。
 教育部長は「11月14、15日に実施。県外ゲストは呼ばず、来場者の把握ができる企画のみ実施。出演機会が減った地元アーティストと鑑賞機会が減った市民に活動の場と良質な音楽等を届けるために開催。ジャズとバレエの共演、クラシックやブラス、バレエの合同舞台、美術展など5つの企画、のべ24団体が参加。県の支援事業によるライブ配信も行う」と答弁しました。

 コロナ後にどういう活動をするかというのは演者にとっても鑑賞する側にとっても悩ましい問題です。このほど「クラシック音楽公演運営推進協議会」と一般社団法人の日本管打・吹奏楽学会が組んで7月に実施した「クラシック音楽演奏・鑑賞にともなう飛沫感染リスク検証実験」の報告書が公表されました。私は、学校やアマチュアでの演奏、観客対策としての対応などでこうした知見を参考にする考えはないか質しました。
 教育部長は「新型コロナの終息が見えない中では国や県のガイドラインに沿った対策を実施することが原則。ただ、議員紹介の実験や検証は今後も様々な知見が増えていくと思われるので、感染症を防ぐための効果的な対策に関する情報を収集しながら、状況に応じた工夫や対応を検討したい」と述べました。

 この他、ホームページ上の市長会見などの情報発信では、聴覚障がい者向けに字幕やテキストでの文字情報をつけることを提起していたところ、台風10号からは字幕がついたので、今後もこれを基本としてほしい、と求めました。

2、オスプレイ配備問題〜条件闘争を懸念「まずは説明会より協定の整理が優先」

 佐賀空港へのオスプレイ配備問題で、防衛省は今年6月までに県有明海漁協の15支所全てに対して説明会を開いた一方、住民に対しては2016年7月から10月にかけて川副町4校区と東与賀で開いて以来説明は行われていません。去る8月12日に佐賀空港に近い川副・諸富の5つの自治会の代表が県に対して地元説明会を求めたのは地元の不安の気持ちの表れと言えますが、市長の見解を問いました。

 市長は「説明会を求めた動きは、地域住民の取りまとめとしての自治会の役割としては理解できる」としながらも、「説明会と言っても何か条件闘争のようになるのを心配する。まずは『自衛隊と共用しない』という県と漁協との約束事の整理が優先であり、その後に、必要となったら説明会を開くことになる」と答えました。

 漁協は「地権者への説明を優先に」と決めており、本会議後にメディアの囲み取材(写真)でそのことへの見解を問われた市長は「漁協が判断する上での材料の一つだと思うが、そこで土地価格などの話が出てくれば、順番は逆となり、問題視せざるを得なくなる」との見解を示しました。

3、戦争体験語りつぐ平和アーカイブを

 平和行政については、戦後75年の節目に開かれた第29回佐賀市平和展の取り組みを質しました。
 池田総務部長は「戦争の記憶が風化しないように伝えることが責務との思いで、平成4年から毎年8月に開いてきた平和展だが、第29回は8月6日〜9日で800名以上の惨禍を得た。新型コロナ感染防止でセレモニーやコンサートは行わなかったが、原爆パネルや資料、佐賀空襲を語り継ぐ映像やインタビューの上映など、子どもたちが戦争や平和について考えるきっかけとなった」と答弁。

 私はさらに、高齢化によって戦争体験者が減っていく中で市民の戦争体験を語り継ぐための動画や各地の戦災を記録する団体とも連携して、HPに平和アーカイブを設けることなど提案しながら、来年の第30回平和展に対する市長の見解を求めました。
 秀島市長は「自分は3歳の時に戦争を体験した。体験したからこそ平和への想いは強い。各自治体でもいろいろな取り組みがなされている。戦争の悲惨さについて語り継がなければ、話が消えた時にまた戦争が始まる、ということになる。つないでいくということが我々の責務だと思う。アーカイブも必要だと思っている」と答えました。

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