【バリアフリー映画の試写会@みないろ会、久々のつどい】

 昨日は久々に「みないろ会」(みんなでいろいろな映画を見たいからバリアフリー映画をつくる会)の全体メンバーが集まり、制作中のバリアフリー映画の全体を通して見る試写会をしました。


 実は、昨年から「今日も嫌がらせ弁当」という映画に字幕と音声ガイドをつけてバリアフリー映画にするという企画を取り組んでおり、音声ガイドはドキュメンタリー映画「ひいくんの歩く町」で初挑戦しましたが、47分の作品でしたし、今度は2時間以上の劇映画で、テンポも速いうえに字幕をつけるのは初体験ということで、音声ガイド班2グループ(雪組、星組)と字幕班(夢組)に分かれて11月ごろから作業してきました。


 本来は3月末にある程度できたものを「みないろ会」を支援してくださっている方や視覚・聴覚障がいの当事者の方たちにご覧いただく試写会を計画していたのですが、コロナ感染拡大防止ということで中止となり、開き方やその後の対応にも苦慮してきました。


 メンバー内でも音声ガイドに関しては部分的に見たものの、全体を通しては見ていなかったし、字幕に関しては字幕版のお任せで、いちいち字幕を出すときにタップしなくてはならないという話でしたから、夢組さんは穴の開くほど映画を繰り返し見ながら、自分の担当パートでの字幕タップのタイミングを練習しておられる、と伝え聞いておりました。


 障がい当事者の方のモニター試写は無理でも、みないろ会メンバーとして全体を見る試写会は必要だ、と、4月、5月、6月…と計画しては延期、中止を繰り返してきましたが、ようやく8月23日に神野公民館で行うことができました。


 会場に着くと、なんだかSF的な異様な雰囲気!そう、みんなフェイスシールドを着けていたのです。これは、メンバーに難聴の方がおられてマスクでは口元が見えない、という配慮からのことでした。私はフェイスシールドは初めてだったので、なんだか目の前が曇りがりちだし慣れない感じでしたが、映画を見る時以外はこのスタイルで、ということで通しました。
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 実際は、口元が透けて見えるマウスシールドもありますし、難聴当事者の方は「ホントはこっちの方が楽なんだけど」とも言われてましたが、みんなに合わせてフェイスシールドをつけておられました。とはいえ、「マスクだらけのところに参加するのは気が進まなかったけれど、こうして配慮してもらえて嬉しい」と喜んでおられました。


 さて、この日は、ろうきんの補助金を活用して購入したみないろ会独自のスピーカーのお披露目でもあり、映画の原音と音声ガイドの音とを一緒に流すやり方で試写をしました。ようやく全貌が見られるとのことで、メンバーのご家族も含めて23名が参加しました。
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 「今日も嫌がらせ弁当」はシングルマザーと二人の娘、とくに同居している高校生の娘の反抗期に、3年間キャラ弁を作り続けて親子の絆を取り戻すという笑いとちょっぴり涙の元気のいい作品です。昨年6月に封切りとなり、作品としても新しかったので、本当は3月段階で試写会ができればベストだったのですが、今年のお盆の期間中にも地上波で放映され、世の中的には新しい映画とは言えなくなってはおります。


 ですが、実際に音声ガイドと字幕をつけて観ると、別物でしたね。音声ガイドは前半を雪組の私、後半を星組の横尾玲子さんが担当しました。前半はどちらかというと静かな場面の方が多かったのですが、後半は音楽の盛り上がりが大きく、エンディングは楽しい歌も流れる中、テロップの読み上げの音が聞こえにくい…というハプニングがありました。
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 が、これはミキサーの調整の問題で、クリアできるということが後の検討会の中で判明。または、今回は一つのスピーカーから原音と音声ガイドの音を流したのですが、映画館では映画館のスピーカーと音声ガイドのスピーカーを別に取れば聞きやすくなるのではないか、とか、FMラジオを通してイヤホンで聴けば落ち着いて聞けるのではないか、など、別の流し方も挑戦することになりました。


 そして、問題の字幕です。夢組のみなさんが、交代で字幕画面をタップされるのかと思っていたら、なんだかみなさんゆったりと映画を見ておられるではありませんか。さては編集の中心となった八坂さんが一人で頑張っておられるのか、と見やると、そちらも動きはありません。


 画面の方では、映画の画面の右側に読みやすい文字で、登場人物ごとに色も替えて、背景の音楽についても「♪〜」だけでなく(感動的な音楽)(シャキーン! 弁当に光が当たった音)(穏やかなギターの音)などの解説がついていて、エンディングでは歌の歌詞も字幕がついているというベストなものでした。
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 あとで種明かしをしてもらうと、編集の八坂さんのご努力で、夢組メンバーがそれぞれ担当して作った字幕のパワーポイントを編集画面で音声に合わせて貼り付け、1500枚ものスライドをタイミングよく映し出すことができた、という神業のおかげでした。


 八坂さんは、みないろ会に不可欠のエンジニアで、いかに八坂さんの技術を複数メンバーで共有できるようになるかが今後の鍵だ、とみんなで再認識したところです。
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 作品を鑑賞した後に、検討会をもち、それぞれの感想や気づきを出し合いました。


 音声ガイドに関しては、原音との重なりやボリュームのバランスなど、共通して改善の要望が出されましたし、音声ガイドを担当した横尾さんと私自身、できればもう一度録音しなおしたい思いだよね…という発言をしたのですが、録り直したらまた八坂さんの編集の負担がかかるので、、、、痛し痒しというところです。


 字幕に関しては、聴覚障がい当事者の方から見ると、「背景の音楽にもイメージできる解説が書かれていたし、最後の歌の歌詞も出てきて感動しました」と100%OKの評価でしたし、他のメンバーもクオリティの高さに感動したのですが、細かいところを見ている方にとっては、改行の場所や次の画面に渡る場合の↓の使い方など、手直しが必要という意見もあり、いずれにしろ、視覚、聴覚障がいの当事者の方によるモニターを2回ずつはしなくてはならないだろうとなりました。


 通常なら、もう次の作品作りについて取り掛かる時期に入っているのですが、まだ昨年度の作品が完成していないというコロナ禍での難しいスケジュールに苦労しておりますが、何はともあれ、こうして一堂に会して、みんなでミーティングや試写会ができた事は本当にありがたく嬉しいものでした。
 
 私たちの「今日も嫌がらせ弁当」みないろ会版バリアフリー映画をちゃんと世間に出せるようになる日を、どうぞお楽しみに!
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