【6月定例会 国保税賦課限度額引き上げ条例案への反対討論】

 昨日の6月定例会最終日での国保税賦課限度額引き上げ条例に対する市民共同・山下明子の反対討論の内容をお知らせします。


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私は第62号議案「佐賀市国民健康保険税条例の一部を改正する条例」の専決処分 への反対討論を行います。


 この議案は、地方税法施行令の改定に伴い、近年パターン化されたように負担増と負担軽減のセット、すなわち国保税の基礎課税分を61万円から63万円へと2万円引き上げ、介護納付金分を16万円から17万円へと1万円引き上げることにより、後期高齢者支援分と合わせて、合計96万円が99万円になるという負担増の部分と、2割軽減及び5割軽減の対象となる所得基準額を引き上げることにより、軽減対象を拡大するという2つの部分から成っています。


 国保加入者の8割が非課税世帯、低所得の方が多くを占める中で、軽減対象を拡大することにより107世帯、183名の被保険者の方が新たに負担軽減となることは歓迎すべきことです。軽減拡大に伴う国保税減収は524万9千円と見込まれていますが、それは国が手当てするため、直接国保特別会計の負担とはなりません。


 一方で、賦課限度額の引き上げにより影響を受けるのは基礎課税額分で1,218世帯で2,497万円、介護納付金分で469世帯で497万円に上り、その税収増は合わせて約2,990万円と見込まれています。しかし、事業主が2分の1負担する協会けんぽと違って、国保税は全額被保険者負担である上、国保に加入している世帯の人数によって税額がふえる仕組みになっているため、必ずしも高額所得とは言えないような所得水準であっても、家族が多ければ最高額に達するということにもなり得ます。


 今回も単身や2人世帯なら、基礎課税分だけで見れば所得594万円のあたりから2万円増の影響を受けますが、4人家族なら所得593万円、6人家族なら所得509万円で2万円増になってしまいます。

 さらに介護分を加えて3万円増の最高額となるのが単身世帯で所得733万円以下から、2人、3人世帯では所得705万円のあたりから影響を受けると見込まれています。


 最高額は99万円、1期あたり9万9千円です。付加限度額いっぱいにならないまでも、今回の限度額引き上げによって所得481万円の世帯から影響を受けることになります。所得数千万円の世帯と、500万円以下の世帯とが同じ最高額となるということは耐えがたいものがあるのではないでしょうか。しかも昨年10月から消費税率が10%に引き上げられての負担増、今では新型コロナ関連でのさまざまな影響を受けての収入減などが重なる中で、すでに国保税の納付書が届いており、1期目の納期限も迫っています。

 私は、この討論をまとめるにあたって、私が初めて議会に送り出していただいた平成3年5月臨時議会から振り返ってみました。当時は賦課限度額を42万円から44万円にひきあげるというもので、文教福祉委員会では「国に準じて毎年のように賦課限度額を引き上げることへの不平不満の声が強い」「基金や一般会計からの繰入れで対応できるのではないか」「民意を反映した市独自抜本改革を行うべき」「市民負担にかかる重要なものは専決処分でなく議会に諮るべき」などの意見が出され、採決の結果8名中5名、本会議では34名中25名の多数決となりました。これは、裏を返せば委員会では3名、本会議で9名が引き上げに反対したのです。


 これを受けてその翌年、平成4年度に初めて賦課限度額を据え置き、国の動きから1年ずつずらし、さらに平成5年度には「引き下げなど考えられない」と思われていた国保税の所得割率の引き下げを実施するなど画期的な取り組みが4年間続きました。


 しかし、平成8年度に国の賦課限度額に追いついて以来、平成12年度の介護保険制度、20年度の後期高齢者医療制度の創設を機に賦課限度額が59万円にまで引き上げられ、さらにこの10年で2万円、3万円、4万円というテンポで99万円まで達しているのです。

 平成3年までの10年間に24万円から42万円へと18万円アップしたという事で問題になっていた賦課限度額が、平成20年度からの10年間で59万円から93万円へ、さらにこの2年で99万円へと40万円もアップするというのは、国民全体の家計所得が伸びていない中であまりにも過酷です。


 この間の連続的な賦課限度額の引き上げは、政府が「協会けんぽの負担率に追いつくために1、5%ずつ引き上げる」という方針に基づくもので、2分の1の事業主負担のある協会けんぽと違って保険税全額を負担しなくてはならない国保世帯にとっては深刻さを増すばかりです。昨年度の6月議会での条例改定の際の委員会審査の時には、執行部からも「国保課税の仕組みとして、所得割を一律に考えるのではなく、一定の所得段階以上は累進性を持たせることも必要と思われる」という見解も示されました。


全国市長会でも国庫負担の増額や子どもの均等割部分の軽減、市町村独自対策に対する国保ペナルティの撤廃などが提言されており、低所得層の割合の高い国民健康保険の構造的な課題の解決が切実に求められています。こうした国への提言だけにとどまらず、佐賀市独自でも他の自治体で子育て支援の一環で行われているような子どもの均等割部分を軽減するといった、何らかの負担軽減策を講じることが考えられないのでしょうか。


また、手続き的にもこれほどの負担増となる内容を前もって議会に諮らず専決処分とするやり方も問題です。


 前に述べたように、平成4年度以来、数年間にわたって、国の地方税法改定によらず賦課限度額を据え置き、佐賀市独自に判断していた時期もあり、市長御自身が保険年金課長として対応されていたこともありました。
 今でも高過ぎる国保税が、さらに最高99万円という、もはや保険とは言えないような額にふえていく流れに佐賀市としての英断を下すべきだということも申し上げ、この議案への反対討論といたします。


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