【佐賀市の自主防災組織研修会】

午後からは佐賀県地域防災リーダーとして、佐賀市の自主防災組織研修会に参加しました。
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昨年秋、防災士の資格を取得して初めての研修会で、佐賀市の自主防災組織の活動に対する支援の内容や避難に援護を要する方の名簿登録と活用についての説明のほか、メインの講演は朝倉市杷木松末地域コミュニティ協議会の伊藤睦人会長による「九州北部豪雨の状況と自助・共助の取り組み」というテーマで、実体験に基づく深く迫力のあるお話でした。
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朝倉市では平成24年にも豪雨災害を受けており、その時「一生に一度歩かないかの災害」と言われていたそうです。その経験をもとに、松末地域の自主防災会を組織し、防災マップ作り、指定避難所まで行けない場合の一時避難所の設定、防災訓練などにも取り組んでこられたそうです。


それでも、平成29年の豪雨災害の時には、その想定を超える大災害となってしまい、未だに行方不明の方がおられるとのこと。「平成24年の豪雨災害を『一緒に一度』と思い込んでいたことが仇になった。今の気象は『異常が日常』になっている」と強調されました。


それまでの訓練がおままごとのようなレベルだったと思えるが、しかしその訓練があったからこそ動くことができた、ということも言われ、防災訓練を軽視してはならないことが伝わってきました。
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朝倉市は合併して旧町村の地域の状況を肌でわかってくれていない、ということも言われました。
それは、豪雨災害で松末地区11集落のうち7集落が被災し、道路が寸断されて孤立した集落への食料支援などをどうしようかと苦慮していた時に、市役所本庁からはイノシシの電気牧柵の被災状況を調査しに職員が回っていたそうで、「こっちは命がけという時に電気牧柵の調査とはなにごとか」という思いになったということです。


また、災害規模が大きかったために河川や道路の復旧作業の権限を国や県に委譲し、直轄事業となった部分があったそうで、それは住民から見れば非常にわかりにくく、現状に合わない対応になりかねないものだったそうです。
自然豊かな景観を取り戻すことや、道路や河川をどのように再建していくべきかということについて、また、住宅の損壊部分に重機を入れることについての段取りをどうするか、ということについて、どこにどのように物を言えばいいのかわからない、ということで、松末地区では関係する機関を全て呼んで、住民への説明会を開いたそうです。


さらに、避難してから、その先をどうするか、ということを考えてほしい、ということも強調されました。
道路が寸断されて、ヘリコプターで救助されたので、同じ集落の人でもバラバラの場所に避難を余儀なくされ、慣れない場所でのコミュニティの構築に苦労されたそうです。


伊藤会長は「本当に欲しいのはいつまで待てば改善するのか、という見通し。役所は予算の裏付けがない限り、絶対に口にしようとしないが、たとえば、3ヶ月は避難所で我慢してほしい、そのあと◯月までに仮設住宅を作る、そして2年後、3年後には復興住宅、公営住宅を再建する、といった計画を示してくれたら、それを希望に我慢することもできる」と言われていました。

住宅確保の情報がないままに、個人の責任で避難先の地域でアパートなどを探さざるを得なかった人は、もう松末には戻らず、避難先で暮らそうとしていることもあるそうです。


もう一つ、心に刺さったのは、松末地区は山に囲まれた谷底平地で、ハザードマップでは殆どの集落がイエローゾーン、レッドゾーンになっていたことから、ある人が「なぜこんな危険な地域に住んでいたのか」と言ったそうですが、それを聞いて「馬鹿を言うな」と怒りが湧いたそうです。

「ハザードマップは最近になってできたもの。自分たちの先祖は何百年も前からこの地域で生きてきた。それほど危険な地域だと行政がわかった以上、行政の責任で最大限の安全対策を講じるべきではなかったか。その上での被害というならわかるが、それもしないでおいて『なぜこんな地域に住んでいるのか』とは酷い」という言葉は、佐賀市においても松梅、富士町、三瀬村の地域に暮らしておられる方たちの思いと通じるのではないか、と思いました。


このように、実体験に基づく講和でいろいろ考えさせられるものがありました。
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ところで、資料として配られた避難支援ガイドブックと避難行動要支援者名簿の登録者一覧で気になったことがあります。
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いざとなった時に支援が必要、と名簿に登録されている人が要支援・要介護、障がいを持つ方など12,639名ある中で、実際に個別情報を活用して支援に同意する、としているのが4,017名(約30%)に過ぎず、7割の方は支援対象から外れているということです。
さらに名簿活用に同意している中でも避難支援員を確保しているのは、そのまた39%の1410名にとどまっているということです。
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校区や地域によっては、自主防災組織独自で把握して対応できるようにしているところもあるそうですが、「個人情報保護」と災害救助や避難支援という目的との関係はもっと整理し、市民的な理解を得るようにしなくてはならない、とつくづく思います。


避難支援員についても、「この人の担当はこの人」と決めていても、災害の起きる時間帯などによって、支援員がそこに駆けつけられるかどうかわからない、とも言えます。
結局は、隣近所である程度情報穂共有して、お互いにフォローし合える関係を築いておく必要があるということだと思います。


こうした実情を地域にも示しながら、なるべく細かい単位での自主防災組織を確立していけるようになれば、と痛感しました。

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