【バリアフリーというならば…】

今日、ある車椅子生活の方のご相談を受けました。いろいろなことが絡まっていて、単純ではないのですが、その1つ1つに「バリアフリー社会を」といわれていながらハード面だけでなくソフトの面(仕組みの面)でバリアだらけだと理不尽に思うことが沢山ありました。


ご本人の了解のもとに、少し紹介させていただきます。


▼ご本人は肢体1級の重度障害をお持ちの60代の男性です。国鉄画像勤務で亡くなられたお父さんの遺族年金を受けながらお母さんと生活されていたのですが、2年前にお母さんが亡くなられました。
通常はそこで遺族年金の受給資格が切れてしまいますが、他に生計の手段がなく子どもが18歳未満や60歳以上の重度身障者の場合などには受給権が引き継がれるということで、その後も国鉄の遺族年金が振り込まれていたそうです。


実はこの男性は8年前に同じく肢体1級の重度障害を持つ女性と結婚されていたのですが、お母さんの死亡後も受給権資格確認の届け出をした上で継続されていたものです。


それが、昨年10月に次からは振り込めない、といわれたそうです。その理由は、引き継いでいた子どもが「結婚した場合」という規定にかかるからというのです。最初に受給権資格の確認をした時にその判断を間違っていたので、その分の返還も求められたとのこと。


年間約200万円近いお父さんの遺族年金は、間違いなくご本人の障害年金とともに生活の支えだったわけですが、昨年12月からその収入が途絶えてしまいました。
法律の条文を私も読ませていただきました。たしかに「結婚した場合」には受給権は無くなることになっていますが、その手前の条項では「ただし」として「重度障害場合を除く」ということで例外が認められているのに、この結婚した場合だけはそれを認めないというのが納得いかないものがあります。


ご本人も言われていますが、それまで生計の手段がなかったのが結婚によって新たな収入の道ができたというなら分かりますが、ご本人の重度障害と共に配偶者も重度障害で年金のみ、となるとハンディを抱えているだけに支出も増える部分があり、相当苦しいことになるのは明白です。この条項に「重度障害」という例外規定が当てはまらないのかどうか、その妥当性はどうなのか、というのが問題だと思います。


▼さらに、この方は先のことを考えて自宅を処分し、公営住宅に入居しようと申し込んでおられたそうです。幸いにも市営住宅の障がい者向け居室が当たったのだそうです。
ところが、ここでまた問題が。
お連れ合いがメンタルな部分でもパニック障害を抱えることになり、医師の勧めで「癒やし効果があるので小動物でも育ててはどうか」とのことで仔犬を飼い始めたところだったため、入居にあたってその事を診断書も添えて申し出たところ、指定管理者のマベックは前向きだったにもかかわらず、市の担当課が「ペットは飼えませんから」と全く検討もしてくれなかったとのこと。


「うちの犬はペットではなくセラピー犬として医師の勧めで飼っている。盲導犬や介助犬ならどうなのか」と問うと「そういう方は今はいませんから」とのこと。「公営住宅にいて犬や猫を飼っている人もいるじゃないか」というと「その方たちは後から飼われたので、こちらからなんとも言えないのです」とも。


いやいや、この理屈はおかしいでしょう。障がい者枠を設けていながら、ハード面さえ備えていればいいのか、ということになります。全盲の方が盲導犬を連れて入居したいとなったら断るのでしょうか。セラピー犬を置くことで精神的に落ち着くことができるという方について、それを認めないといってしまえるのでしょうか。


結局、この方は民間アパートの1階で暮らされているそうですが、バリアフリーではないうえに公営住宅に比べて家賃が4万円も高く、先の遺族年金打ち切りと合わせて考えると、経済的にかなりマイナスになっているのだそうです。


障がい者向けだけの問題ではなく、これから独居の高齢者の方が増えていく事を考えるとセラピー効果や家族の一員としてのペットの存在は公営住宅においてもきちんと位置づけて考える必要があるように思います。


たしかに、犬や猫の鳴き声やフンの問題などもあるかもしれません。しかし、そこは飼い主の責任としてきちんとマナーを守ってもらう事として、障がいを持つ方が安心して暮らしていける地域社会にしていきたいものです。


▼そしてもう1つ驚いた事。
今、佐賀県では障がいを持つ方が車の運転免許を取りにくい状況にあるという事です。


以前は障がい者向けの車輌を運転免許センター画像で置いていたそうですが、数年前から「需要がない」事を理由に県が障がい者向けの車輌配備をしなくなったとのこと。
もちろん、障がいの状態によって車輌の改造は一様ではないので簡単ではないかもしれませんが、それにより、現在は自前で車輌を改造し、教習用にバックミラーやサイドミラーなどを付けて、それで受けにいかなくてはならないのだそうです。もちろん、免許を持っていないので、教習所や免許センターには運転できる人が付き添う必要があります。


理不尽なのは、車輌の改造費用の助成は免許を持っていることが条件であり、これから免許を取得しようという人には当てはまらないというのです。


ここまで聞いていると、障がい者向けの運転免許取得の仕組みや車輌整備に関しては、官庁の嫌がらせにしか思えないくらいバリアだらけに思えてきました。


もちろん、この方ご自身の時はまだ車が整備されていて運転免許を取ることができたそうですが、「こんな状態なら佐賀に住んでいたくなくなる」と悲しんでおられました。
ハンディを持つ方が生活していく上では1つのことだけでなく、いろいろ課題が結びついている事が、ここでも如実に表れています。


国も県も市も「バリアフリー社会を」というなら、ハンディを持つ方々が社会に出ていけるように、もっと多面的に対応できるようにしていくべきであり、課題解決に早急に取り組んでほしいとつくづく感じます。


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