いまどきの高校生もすごい!~ティーンズビデオ2010

 NHK教育テレビでティーンズビデオ2010という番組がありました。高校の放送部が作ったビデオのドキュメンタリー部門の放映なのですが、なかなか見ごたえがありました。

 とくに目を引いたのは北海道立深川東高校の作品。「私たちは野菜じゃない!」

 「あなたは女子高生の着替えを見たいですか?」といきなり度肝を抜くような導入で、「なんだなんだ・・・」と見ていると、トイレで着替えているというわけ。なぜかというと、更衣室がとても寒いからだといいます。トイレは9度、更衣室は2,6度であり、なんと冷蔵庫の設定温度8度よりも低い!ということなのです。
 冷蔵庫の中に入ってみて「どっちがいい?」と聞かれた生徒は「冷蔵庫のほうがあったかい」と。「着替えるなら?」「冷蔵庫!」(おいおい・・・!あぶないってば!)
 そこでタイトル「私たちは野菜じゃない!」
 
 まずは、更衣室の気温が低すぎるので、暖房を入れてほしい、と学校側に提言しますが、「コストがかかる。どれくらい使うのか、火気が心配」との答え。しかし、教師用の更衣室には暖房が入っているのはなぜ?と問い直し、一番寒い季節の70日間、更衣室とトイレと教室の気温を朝、昼、夕の3回計測します。
 その結果、更衣室は常に冷蔵庫よりも室温が低いことが明らかになります。

 さらに、文部省の学校設置基準の中には「冬季は室温10度以上を保つこと」とあり、それ以下の場合は暖房の設置を義務付けていることも発見します。これを校長に示すと「そういうことは知らなかったなあ」と。
 話はこれでは終わりません。道立高校の設計基準があるのではないか、と道庁に問い合わせますが、取材を断られます。そこで、自分たちで道内の60校すべてを調査するのでう。その結果、最北端の礼文島の航行まで含めて58校まで更衣室に暖房がなく、みんな「野菜」状態になっていることがわかります。
 この結果を示しながら、もう一度道庁に問い合わせると、ファクスで文書が送られ、そこには「更衣室には暖房は設置しない」となっていることが書かれていました。

 ところで深川東高校でも、体育館の更衣室の隣の部屋をみると、普段使われていないのに、暖房器具があり、トイレもシャワーもあります。ここは何かというと、避難所として指定されているのにともなう施設だというわけです。そこで、学校が雛所として使われた新潟中越地震のときの災害対応をしたスタッフに避難所をどのように使ったかとインタビューします。
 それによると、体育館に熱のある人なども寝かせておくわけに行かないので、更衣室に簡易ベッドを設置して、そこに寝かせた、という話が出てきます。すると更衣室は、単なる着替えの部屋でなく、避難所の対応として必要な施設だということが見えてきます。

 ビデオでは、生徒が寒いということだけでなく、地域の自治会の人や住民にも話を向けてみます。すると、「そりゃあ、更衣室に暖房はいるよ」「冷蔵庫以下だなんて、野菜以下のあつかいじゃないですか」などの声が返ってきます。
 まだ簡単なことではないかもしれないけれど、道内の高校の更衣室への暖房設置に向けて、生徒が「私たちは」と言い、そのあとに地域の住民のみなさんも「私たちも」と続けて「野菜じゃない!」とアピールして終わります。

 しかし、このリサーチ力と、自分たちの要求を自分たちだけにとどめず、全体のものにしていく知恵のすばらしさに感服しました。いまどきの若者、すごいじゃないですか!

 こんな調子で、高校生のビデオには目を見張るものがたくさんありました。

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