保育の最低基準の廃止や運営費の一般財源化に明確に反対~一般質問 2

 今回の一般質問のひとつのメインは保育行政で、保育の最低基準を国が廃止し、民間保育に対する運営費補助もなくして一般財源化しようとしている動きについて、市としての立場を明らかにすること、また、入所待機児への対応は、入所者のつめこみではなく施設を設置することで解消するべきこと、などを求めました。

 全体として、前向きの答弁だったと思います。

 とくに、入所待機児が現在107名にのぼりますが、新年度には吸収できるとしても、今後もし待機児が解消できない時は、期限を区切って空き施設などを活用しながら施設を整備することも研究しなくてはならないと思う、との認識がしめされましたが、これは重要な視点だと思います。

 最低基準の廃止について、国から条例委任された時に、現在の最低基準、とくに保育士の配置や給食など人権にかかわることはこれまでどおり確保されるもの、少なくとも佐賀市ではそういう対応をするとの認識がしめされました。

 また、民間保育所の運営費補助の一般財源化については、民間保育所と地方自治体の財政負担が大きくなるため、反対であり、機会を捉え国に対しても意見を上げていくむねの答弁がありました。

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(詳報)

◆ 質問の最初に、佐賀市の待機児の状況と、次世代育成支援行動計画におけるアンケート調査で保護者が子育てに関して何を求めているか、を問いました。

 まず、待機児については、平成18~21年度の年度当初の待機児はゼロであり、年度途中の待機児数は平成18年度末が86名、19年度末が39名、20年度末が96名で、21年度は7月に20名の待機児が生じ、現在107名いるとのこと。この107名は来年度当初にはいずれかの公立か認可保育園に受けれができるみこみとのこと。

 次世代育成支援行動計画の子育てニーズについては、ちょっと私の意図していた方向と違う答弁だったのですが、計画で位置づけられた保育ニースへの対応というかたちでの答弁がありました。
 すなわち、平成20年度に4000世帯にアンケート調査をして、平成20年から10年後の29年における子どもの人口と保育を利用する子どもの人数を推計したそうです。
 それによると、0~5歳の人口は、平成20年の12772人から、平成29年には10894人(△1878人)、そのうち保育を利用する子どもの人口と割合は、平成20年の5,925人(46.4%)から、平成29年には5,473人(50.2%)になると推計されています。人口減少に伴い保育ニーズも実数では452人減ると見込むが、保育を利用する割合は逆に高まると見ており、保護者の働き方によって、多様な保育形態が求められるようになる、との答弁でした。

◆ そこで私は、107名の待機児は定員の125%入れても入れない子どもたちであり、それが新年度に吸収されるのは、卒園や進級によるものであって、その時期まで待てない待機児にはどう対応しているのかを尋ねました。
 これに対し、子ども教育部長は、7割が職を求めての入所希望だが、年度途中の育児休暇開けなどがわかっていれば、12月から「予約」ということもありうることを紹介しつつ、特別な対策はしていない、と述べました。

◆ 私は、国が「地域主権」の名の下に最低基準を原則撤廃し、地方条例に委ねる方向を打ち出し、東京などの都市部で面積基準の緩和を容認することを盛り込んだ「地域主権推進一括法案」を今国会に提出する予定であること、しかもこの4月からは認可保育所の定員を超えて子どもを受け入れられる現在の125%の上限枠を取り払うとして2月17日付で各都道府県に通知を出していることを示し、「これで待機児を解消したとしても、入所児童の詰め込みにつながり、保育の質の低下を生み出すのでは」と市の認識を質しました。

 市としては、東京などの大都市部に限っては、面積基準の緩和など自治体の裁量に委ねるものであり、保育士の配置基準や居住面積基準、保育指針や食育など、人権に直結する運営基準は「従うべき基準」とされているので、守られるものと認識している、と答弁しました。

◆ 私は、待機児解消のために、入所定員枠を超えて受け入れるのではなく、本来は施設を整備して対応すべきではないか、と求めました。
 すると、「それは理想だが、市の負担もある。また、今はよくても、将来子どもの人口が減って保育所があまってしまい、安定的な運営ができなくなると困る」との答弁でした。

◆ そこで、短期間で新増設は考えられないとしても、既存の建物や公共施設を活用してでも、きちんと施設を増やして対応することは考えられないのか、とさらに訊ねました。
 これに対して、「一時的な対応をしている例は他市にある。静岡市が10年、岡山市が15年、など終わりの期限を設定して保育所を開設している。年度当初から需要がオーバーしている場合であり、佐賀市でもそうなったら、そういうやり方や保育ママ制度などを検討・研究しないといけないのではと考えている」と答弁がありました。これは画期的だと思います。

◆ 最低基準の緩和・廃止に関連して、政府の構造改革特区推進会議が、現在、特区だけに認められている、保育園の3歳児以上の給食外部搬入を全国展開で認める意見をまとめたこと(現在、特区に認定された86自治体で実施)は、自園調理を定めた最低基準を放棄するもので、質の低下になるのでは、と質しました。

 これについても、自園調理は全国一律の最低基準で定められており、人権に直結する部分なので、そうすすんでいかないのではないか、守られるのでは、との認識でした。ちょっと甘いとは思いますが、佐賀市がその立場を堅持してくれるならいいのです。

◆ 私は、地方分権推進委員会第3次勧告の資料で、最低基準を廃止して条例に委任する場合の「基準設定の類型」というものがあり、そのなかで、「基準の範囲を超えるものは違法」をいう解釈が示されていることをあげ、これまで最低基準と思っていたのが、これを超えて自治体の裁量で上乗せしようとしたら違法になる、というのでは、質の低下になるのでは、とさらに問いただしました。
 子ども教育部長は「そういう話があったので、県を通じて調べたところ、最低基準という性格上、「従うべき基準」としたものについても、地方自治体の判断でこれを上回る場合があっても可能、とのことだった。佐賀市としては最低基準として守っていく」と答弁しました。

 実際には、原口総務大臣が、2月16日の衆院本会議で「最低基準があっていいのか」と述べたり、2月23日の衆院本会議でも「中央で全部決めてそれを地方に押し付けてきた基準等を、地方自治体自らが決定し、最適なサービスを実施できるように改める」と答弁しており、ここには、福祉の守らなくては生らない最低基準を国が保障するという責任感が感じられません。まあ、口で言ってることとやってることが違わないように、よく注視することが大切です。

◆ 最後に、民間保育園の運営費補助の廃止、一般財源化の動きもあることを指摘し、すでに公立保育所に対して2004年の運営費補助の一般財源化、2005年の設備整備費補助の一般財源化によって、地方自治体の財政を圧迫し、公立保育園の民営化、廃園がふえてていること、これが民間保育園にもやられたら、保育所はやっていけなくなるのではないか、自治体が上乗せすることは実質できなくなるではないか、と質しました。
 子ども教育部長は、国の責任で待機児を減らすためにも、一般財源化には反対であり、いまは何も言われていないが、そういう動きが始まったら、市としても「反対」と言っていく、とのべました。
 この答弁もなかなか力強いものでした。

★このほかの質問項目

・普天間基地の佐賀空港移設問題→「普天間基地の佐賀空港への移設、市長が改めて反対」http://akikoy.at.webry.info/201003/article_25.html

・「買い物難民」解消に向けたとりくみ→「足で稼いだ『買い物難民』調査」http://akikoy.at.webry.info/201003/article_27.html

・国保税の負担軽減→「国保の負担軽減についてみたび取り上げる」http://akikoy.at.webry.info/201003/article_28.html
 

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