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zoom RSS 「すべての戦争は自衛意識から始まる」(森 達也・著)

<<   作成日時 : 2015/06/03 13:38   >>

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 国会で戦争法案の審議が行われるにつれ、11本の法画像案を1つにまとめて審議しようというやり方や、自衛隊の行動範囲が広がるにもかかわらず「これまでとは変わらない」という強弁を繰り返す政府答弁、第2次世界大戦で日本の戦争が間違っていたと国際的に位置づけられたポツダム宣言の重要な部分を「よく読んでいない」と答える首相答弁など、この法案がいかに憲法から度外れたものであるかが、日々明らかになっています。

 ホルムズ海峡で云々・・・というやり取りは、かつての「満蒙は日本の生命線」といって中国侵略を正当化してきた大日本帝国の理屈と似ている気がしますし、中国や朝鮮半島、あるいはISILを意識した「防衛論」は、新たな火種を生む危険をはらんでいるように思います。

 そんな時に手にしたのが、この本です。著者の森達也氏はノンフィクション映画の監督であり作家です。森氏は、ベトナム戦争や9・11後のイラク戦争に突入したアメリカ、満蒙を守るとした日本、「東方への生存圏」というスローガンを掲げたナチスドイツなどをあげながら「自衛意識が戦争を引き起こす」と警鐘を鳴らしています。

 森氏は「誰だって本気で戦争をしたいという人はいないだろう。でも、自衛のためなら仕方ないと考えだしたら、常に敵を探し、際限なく軍備増強に向かっていく」といいます。「では、自衛をしなくていいのか?」という疑問に対し、たとえばクラスの誰かがナイフを振り回したとして、それに対抗してみんながナイフを持てるようにするのか(これはまさに現代アメリカの銃社会です)、ナイフは持ち込まないようにするのか(これが核兵器廃絶国際条約ともいえますね)というわかりやすい視点から説き起こしていきます。

 私たちの日本国憲法は、きれいごとでも不可能なものでもなく、実に理にかなった世界平和への自衛のツールであることもよくわかる本です。
 国会論戦を見つめながら、ぜひ、読んでみませんか?

「すべての戦争は自衛意識から始まる〜『自分の国は血を流してでも守れ』を叫ぶ人に訊きたい」(森 達也・著/ダイヤモンド社/1600円+税)

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