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zoom RSS こどもの医療費無料化は「小児科医の使いつぶし」!?〜木下敏之前市長の見解

<<   作成日時 : 2008/05/03 23:52   >>

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 5月2日付の西日本新聞の論壇に木下敏之・前市長がけっこう大きく登場し、夕張医療センターを応援するメルマガを発行していることについて述べられていました。

 「地域医療の教訓 全国に」というタイトルで、財政破綻した夕張市立総合病院が公設民営の「夕張医療センター」に生まれ変わって一年たつ中、その再生を応援する目的で、木下氏が無料メルマガを発行し、広告収入を同センターを経営する医療法人「夕張希望の杜」に寄付する取り組みを行なっている、とy紹介されています。

 そのなかで、「コンビニ医療と医師不足が問題」という話が出てきます。
 病院が24時間気軽に行ける「コンビニ医療」になると、当直医は気が休まらずに逃げ出してしまう、大都市の大病院は遠からず医師の囲い込みを始めるだろう、そうなるとますます過疎地に医師が行かなくなる、したがって自治体の首長はコンビニ医療ならないように働きかけるべき、というのが1つの論点。

 もう1つは、「小児科診療の無料化を進めることもコンビニ受診につながる。小児科医を使いつぶす間違った政策だ。医師は限られた地域の資源。大事にしないとなくなってしまう」と述べている点です。
 木下氏が市長のときに、こどもの医療費の無料化がなかなか進まなかった理由が見えたような気がします。とはいえ、05年の合併市長選挙の時には木下候補も秀島候補(現市長)も就学前の医療費の無料化を公約にかかげておられたように記憶しています。矛盾を感じます。

 なにより、「コンビニ医療」という表現で、気軽に病院に行くことを「悪」と描いていることに違和感を覚えます。早めに受診して、ひどくならないうちに治すということが医療費をかけずにすむことにつながる、というのは常識ではないでしょうか。
 そして、医師が逃げ出してしまうから病院にいかないようにすべき」というけれど、子どもが夜中に高熱を出した時に、どんなにたいへんな思いをするのか、というのは木下氏も若いお父さんですから経験があるはずです。

 いま、アトピーやぜんそく、アレルギー疾患もふえて、通院回数の多い子どももけっこうおられるわけですが、先日も、地域を訪問しているとあるお母さんが「今日でうちの子は医療費無料化が終わりました。子どもが病弱で、病院にいくことが多いので、これから気がかりです。早く小学校前まで無料になりませんか。このままなら他の市へ引っ越したいくらいです」と切々と訴えかけてこられました。
 そういうお母さんたちの気持ちや、いくつもの病気を抱えて不安に思っておられる高齢者の気持ちを考えたことがあるのでしょうか。

 「医師の使いつぶし」といいますが、もともと医師不足は、国の政策で作られてきたことです。
 国民医療を守るために、政府と企業が果たすべく役割が、いまないがしろにされたまま、責任と痛みは現場の自治体と医療機関、そして患者である住民におしつけられています。
 ほんらいは患者負担をふやさずに適正な診療報酬を保障するしくみを、国としてつくるべきです。そういうことに目を向けないまま、あたかも地域医療を考えているかのように説いておられる木下氏の姿勢に疑問を感じました。

 ただし、最後の「道路に税金をたくさん使う前にもっとやることがあるだろうと、つくづく思う」という結論だけは同意です。

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「コンビニ受診」
こちらで勉強させて頂いています。 あまりおじゃましたらいけない、と思うんですが、私にとって、とても勉強になるので ついおじゃましてしまいます。 すみません。(^^;) ...続きを見る
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内 容 ニックネーム/日時
こんにちは。おじゃまします。
記事を読ませていただき、とても考えました。
今夜一睡もできないで、30時間以上連続で勤務する救急医のために、どうすればいいのでしょうか。その医師が倒れたら、小児科を閉鎖しなければならない病院があります。そうなると、有料か、無料かという問題ではなくなります。
現実に、「明日はディズニーランドに行くから今夜治したい。薬ちょうだい。」という患者がいます。このような患者に、昼間に受診してもらうにはどうすればいいのでしょうか。夜になってから具合の悪くなった子供やおとしよりが、無理に受診を控えるような事態は、絶対に避けなければなりません。必要な人が、必要な治療を受けられるように、どのように呼びかけたらいいのでしょうか。
ということを考えて、下のHPを作ってみました。
「みんなの救急医療」
http://icedyuzutea.web.fc2.com/

お時間のよろしい時にのぞいて頂けたらうれしいです。
アイスゆず
2008/05/04 15:24
>アイスゆずさま、コメントありがとうございます。
ご紹介のサイトは拝見させていただきました。確かに、救急医療の現場は大変だと思います。私たちの自治体でも、県や国が救急医療への補助金を削減してきた結果、市町村独自では支え切れないし、医師会も限界ということで年々体制を縮小せざるをえない状態にあります。
 救急医療だけでなく、内科、小児科など住民に身近な分野での医師が減っているのは、過重労働とそれに比して報酬が低い、ということもあると聞きます。
 日本の人口当たりの医師数は、諸外国に比べて多いわけではないのに、国が責任を持って医師を養成・配置しようとしていないことに大きな原因があるのではないでしょうか。勤務医も開業医も、命を預かる仕事を誇りと責任を持って続けられるようにするには、政策的な対応と税金の使いみちを切り替えることだと思います。
 たまたま5月4日付の佐賀新聞でも地域医療の持続可能な経営模索、という特集記事がのっており、いま重要な関心事になっているのは確かですね。
 
管理人 明子
2008/05/05 00:14
こんばんは。
HPをご覧いただき、ありがとうございます。
考えるヒントをたくさん頂きました。
ありがとうございます。
アイスゆず
2008/05/05 23:37
こんばんは。たびたびおじゃまします。
私の最初のコメントをもう一度見てみると、場違いなことを書いてしまったと思います。すみません。でも、とても勉強になります。ありがとうございます。
今までと違った見方で私のHPをもう一度見てみると、「医師不足の原因と根本的な問題の解決については議論しなくてもいい、医療の充実は考えなくてもいい」と言っていると受け取られてしまうかも知れないと思いました。全然そんなつもりじゃありません。でも、文章を書き直したいと思います。
私はただ、医師不足の原因と問題の根本的な解決について議論する間、医療の充実について考える間も、今夜、眠れないで30時間以上連続で勤務する医師のことを、ほったらかしにしてはいけないんじゃないかと思います。
現実に、政策的な対応と税金の使いみちの切り替えを、ひと晩でさせるのは不可能です。それなら、それまでの間に医師が倒れてしまわないように、みんなで安全に協力できることがあるんじゃないかと思います。現実に、今いるお医者さんが倒れてしまったら、新しいお医者さんに来てもらうまで大変です。そうなったら困るのは患者です。
おじゃましました。
アイスゆず
2008/05/07 22:13
>アイスゆずさま、コメントありがとうございます。
アイスゆずさまのHPは別に誤解を与えるようなものとは思っていませんよ。
 おっしゃっている心配は心配としてあるわけだから、どうすれば解決できるかを考える上でのいろんな意見があって当然だと思います。
 ただ、誰もが好きで病気になるわけではないのに、「気軽に病院にいくようになったら医者がもたない」という発想で、結果として患者を遠ざけるようになってはいけないと思うのです。
 なんというか一部の「困ったさん」の状況をことさらに報じて全体にブレーキをかけるという風潮をいろんなことに感じるので(生活保護とか学校給食費の滞納とか)、そうではなく、「一体ことの本質はどこにあるのか」ということをしっかり見据える目はいつでももってなくてはいけないな、と自分にもいいきかせているところです。
 また、いつでもお立ち寄りくださいませ(^^)
管理人 明子
2008/05/07 22:55
こんばんは。
お返事いただき、ありがとうございます。お忙しいのに、おじゃましてはいけないと思うのですが、私にとって勉強させて頂く貴重なチャンスなので、もう少しだけお許しください。

>一部の「困ったさん」の状況をことさらに報じて全体にブレーキをかける

おっしゃる通りだと思います。自分でもHPを見るとそう感じます。受診すべき患者に控えさせてしまうことを避けるために、「困ったさん」をはっきり例に挙げて、「こういう患者に昼間に受診してもらいたいんだ」と強調するためでした。でもやっぱり、少数の「困ったさん」を強調しすぎで、全体にブレーキをかけている感じがします。文章を考え直します。
アイスゆず
2008/05/08 22:28
>生活保護とか学校給食費の滞納とか

私は、最近人から教えてもらうまで「コンビニ受診」の問題を知りませんでした。教えてもらわなかったら、「明日は遊びに行くから」という理由で夜中に病院の救急を利用したかも知れません。教えてもらって本当に良かったです。「生活保護費の不正受給」や「学校給食費の滞納」は、教えてもらわなくても、誰でも良くないことだと分かっています。だから、「コンビニ受診」の問題とは全然違います。「コンビニ受診」は知らないでやっている人が多いです。昼の病院と夜の病院を同じだと思っていたり、初期、2次、3次救急を同じだと思っていたり、2次救急外来を単なる夜間診療と同じだと思っている人がたくさんいます。だから、広く知らせることに大きい意味があります。
アイスゆず
2008/05/08 22:34
>「気軽に病院にいくようになったら医者がもたない」という発想で、結果として患者を遠ざけるようになってはいけない

おっしゃる通りだと思います。私のHPを見てそう感じる方がたくさんいるだろうと思います。でも、私はそんなことじゃなくて、「昼間に行ける人は昼間に行ってほしい」「初期救急に行ける人は初期救急に行って欲しい」と言いたいだけなのです。たったこれだけの事が、どうしてうまく伝わらないのか、と思います。文章を考え直してみます。

>おっしゃっている心配は心配としてあるわけだから

実際、多くの医師が、コンビニ受診を控えて欲しいとおっしゃっています。実際に、現実に、救急をやめた病院、医師が少ない科をやめた病院、外来をやめた病院があります。その地域の患者は、どうすればいいでしょうか。
アイスゆず
2008/05/08 22:37
>どうすれば解決できるかを考える上でのいろんな意見があって当然

医師不足の根本的な問題の解決は、ぜひ進めるべきだと思います。ぜひ不必要な道路を作るのをやめて、医療にお金を投入するべきだと思います。今の与党がダメなら、私は喜んで他の党に投票します。でも、どんな方法でも時間がかかります。
それまでに、知らないで「コンビニ受診」してしまう患者をどうしたらいいでしょうか。疲弊して辞めていく医師をどうやって引き止めたらいいんでしょうか。それまでの間に、少しでも住民ができることがあるなら、そのことを知らせてあげるのが住民のためじゃないでしょうか。
知らないで「コンビニ受診」してしまって、最後に救急がなくなって困るのは、その地域の住民です。知らせ方に問題があるのなら、「結果として患者を遠ざける」ことにならないように工夫すればいいと思います。
アイスゆず
2008/05/08 22:41
私は、私がすることで「結果として患者を遠ざける」ことになるのも絶対にイヤです。でも、知らないで「コンビニ受診」してしまう人に、何も知らせてあげないでいるのもイヤです。
全国の病院の救急がなくなっていったり、時間外料金の徴収が始まったりするのを、ただながめているのもイヤです。知らせ方は十分に注意するべきだと思います。でも、知らせないでいることも、ひどいと思います。

(;^^)長くなってしまいました。
申し訳ありません。
アイスゆず
2008/05/08 22:45
>アイスゆずさま
 丹念にご意見をおよせくださってありがとうござます。
 ずいぶん時間が経ってしまいましたが、この間、別の記事にもあるように、5月12日に県保険医協会の先生方と懇談の機会がありました。
 そこで「コンビニ医療」の話を持ち出して見解を尋ねてみたのですが、その先生方がおっしゃるには、「『コンビニ医療』といわれる物は必ずしも悪ではなく、気軽に患者が受診できるいいことといえる。問題は、それをやっていけるだけの体制ができていないことであり、日本の絶対的な医師不足と国の医療費抑制策がある限り、根本解決はできない。医師として患者に『受診するな』とは言えない」という答えが返ってきました。
 現場の医師の力強い考えの1つとして、ご紹介します。
管理人 明子
2008/05/22 21:11
こんばんは。
また、おじゃましてしまいます。(^^;)
先日は、書き込みさせて頂き、とても勉強になりました。有難うございます。

おっしゃる通りだと思います。たくさんのお医者さんの意見を読ませて頂きましたが、医師によって意見がけっこう違います。私も、ある医師が「素人に受診を控えさせるのは難しい」と書いているのを読んで、ほっとしました。そうでなきゃ、おかしいと思います。「どんな症状でも、心配ならすぐに来なさい。」と言う医師もいて当然だと思います。

私は「コンビニ受診が悪だ」と思いません。
「悪」。ひどい言葉です。

私がイメージする「コンビニ受診」は、夜中の2次救急の外来に来て「明日から旅行に行くから薬ちょうだい」と言うことです。または、夜中の2次救急の外来に来て「昼間に足にとげがささったから抜いて欲しい」と言うことです。「ごく軽症の患者が、昼間に受診できるのに、わざわざ夜間の2次救急の外来を受診する」ことです。明子さまのイメージする「コンビニ医療」は、どんなものですか。
アイスゆず
2008/05/25 00:22
「コンビニ受診」という言葉について、どこまでが「コンビニ受診」でどこからが「コンビニ受診」でないか、皆の認識が少しずつ違うので、私のHPでは「コンビニ受診」という言葉を使っていません。

「気軽に受診する」のは、良いことです。かかりつけ医を持って、何もなくても定期的に診てもらうことは良いことです。問題は、昼間に受診できるのに、わざわざ夜間の2次救急の外来を受診することです。

明子さまのおっしゃる通り、夜中でも昼間と同じように受診できるようになれば、それが一番いいと私も思います。

では、現実にいつからそうなるでしょうか。その医療が実現する日まで、何もしないでいたら、「ごく軽症で、昼間に受診できるのに、わざわざ夜間の2次救急の外来を受診する」患者が増えます。瀕死の病院にとどめをさすことになります。全国の病院から次々と救急がなくなったり、時間外料金の徴収が始まったりします。現実に、その地域の患者が困ります。
アイスゆず
2008/05/25 00:24
医師不足の問題が根本的に解決される日まで、ただただ「気軽に受診できるようにするべきだ」と言うだけでは、現実には患者が困るばっかりです。何も知らせないでいて、ある日突然救急がなくなったり、時間外料金の徴収が始まったりするのはひどいです。

医師不足の問題を根本的に解決する努力をするのと同時に、今病院にいる医師を辞めさせないように、過労死させないようにしなければならないと思います。

救急のお医者さんの話では、たくさんの軽症患者の中に、まれに重い病気が隠れていることがあるそうです。だから、「気軽に受診する」ということは大事なことです。では、その軽症の人たちは、昼に受診できなかったのか、ということです。昼間に受診できたのに、わざわざ夜間に来てしまった患者もいるなら、昼間に受診してもらいたいだけなのです。

昼間は仕事で受診できない人もいるでしょう。夜になってから、急に悪くなったという人もいるでしょう。そんな人じゃなくて、昼間に受診できた患者がいるなら、昼間に受診して欲しいと言いたいだけなのです。

それも、病院が瀕死の状態の間だけ。
アイスゆず
2008/05/25 00:30
頑張って縮めたんですが…すみません。
(^^;)
アイスゆず
2008/05/25 00:31

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